ダイエット方法

中年太りは睡眠不足が原因?ダイエットに必要な睡眠の重要性を解説

2021年12月14日

  • 忙しくてぐっすり眠ることができない
  • 寝ても寝てもスッキリ起きることができない
  • 寝る時間を削って運動しているのに全然痩せない

家庭があると思ったように時間を取れませんから、睡眠時間を削って何か作業することも珍しくありません。

しかし、ダイエットや筋力トレーニングにおいては、「睡眠」というのは運動・食事と並ぶくらい大事なプロセスです。

結論から言うと、睡眠をおろそかにすると太りやすくなり、筋肉量が増えにくくなります。

忙しいからこそ「質の良い睡眠」を確保して、効率的な運動を進めていきましょう。

良い睡眠は運動の効果だけでなく、精神面の安定や日中の活動を円滑にしてくれます。

この記事では、質の良い睡眠を確保する方法を知ることができ、今日からすぐ実践していくことができます。

ぼっか

しっかり眠れる身体を作る参考にしてください!

【睡眠】の重要性。人生の1/3は眠っている意味

睡眠とダイエットの効果の前に【睡眠の重要性】について把握しておくことをおすすめします。

結果的に、筋トレやダイエットにもつながることなので抑えておきましょう。

人は人生の1/3眠って過ごします。90歳であれば30年間眠っているわけですから、それだけ睡眠の役割は大きいことがわかります。

主に睡眠でしかできない5つのことがあります。

睡眠の5つの効果

  • 脳と身体に休息を与える
  • 記憶を整理して定着させる
  • ホルモンバランスの調整
  • 免疫力を向上させる
  • 脳の老廃物を除去

この5つは睡眠で獲得できる効果です。

日常生活の基礎となる部分を睡眠が与えてくれます。特に赤字の部分は運動やダイエットにも深くかかわってきますので、後述するダイエットと睡眠の関係で触れていきます。

順を追って説明していきます。

脳と身体に休息を与える

睡眠中の身体は、【電源オフ】ではなく【スリープモード】の状態であり、自立神経が深く関わっています。

自律神経は2種類で構成されます。

交感神経も副交感神経も常に働いていますが、どちらかが30%程度優位に働いていと言われています。

ポイント

  • 交感神経:日中に働きやすく、血糖値・脈拍を上げ心臓や筋肉の活動が活発になる。集中力が増す。
  • 副交感神経:食後や睡眠中に優位になりやすく、脈拍や呼吸を落ち着かせリラックスモードになる。

活動的な交感神経と、安静をもたらす副交感神経をスムーズに切り替えることができると、日中のパフォーマンスが向上します。

切り替えのポイントとなるのが睡眠です。

睡眠ほど確実にリラックスモードに移してくれるものはありませんので、睡眠の質がとても大事になります。

記憶を整理して定着させる

テスト勉強の後にしっかり眠ると、内容が頭に定着してる経験があると思います。

記憶は、入眠直後の最初のノンレム睡眠の時に定着しやすいという報告があります。

また、同時に脳では「思い出したくない情報」や「不必要な情報」の削除も行っていて、記憶と削除は同時に行われているとされています。

脳の「記憶の管理」も睡眠が担っています。

ホルモンバランスの調整

人は健康な身体を維持するために、眠っている間に多くのホルモンを分泌しています。そのため、睡眠不足によるホルモンバランスの乱れは、肉体的にも精神的にも支障を来たします。

影響を受けるホルモンの一部が次になります。

影響を受けるホルモン

  • 食欲を抑制する【レプチン】が減り、食欲増進する【グレリン】が増える
  • 【成長ホルモン】の分泌が減る
  • 生殖や母性行動を促す【プロラクチン】が減る
  • ストレスホルモンである【コルチゾール】が増える

食欲を抑制する【レプチン】、食欲を増進する【グレリン】

食欲を抑制するレプチンは、脂肪細胞から分泌され、多くは食事のあとに分泌されます。脳の満腹中枢が刺激され、満腹感を感じるようになります。

食欲を増進するグレリンは、胃から分泌され主に空腹やエネルギー不足のときに分泌されます。ケガや病気で食欲が低下するのもグレリンの量が一時的に低下するためです。

睡眠不足になると、レプチンとグレリンのバランスが乱れ、満腹になりにくく過食の原因になることがわかっています。

ぼっか

でも脂肪から抑制ホルモンが出るなら、脂肪が多い方がいいんじゃない?

身体は脂肪が多い状態が続くと、レプチン受容体感受性が下がり反応しにくくなり、レプチンの分泌量が低下するのです。

多すぎる体脂肪は身体にはマイナスになります。

成長ホルモンの分泌が減る

骨や筋肉の成長に関わる成長ホルモンも睡眠不足により分泌量が低下します。

成長ホルモンは、身体の成長や修復だけでなく、新陳代謝を上げて脂肪を燃焼したり肌の保水力を高める働きがあります。

成長ホルモンの不足は、身体の成長・維持が不十分になるので、しっかり眠るだけでも肌トラブルやダイエット効果の促進に効果が期待できます。

コルチゾールの分泌が増える

コルチゾールは、糖質や脂質、タンパク質などの代謝、血糖の上昇、体の炎症やアレルギー反応を抑える働きなど身体には欠かせないホルモンです。

一方でストレスにより分泌量が増えるホルモンなので、【ストレスホルモン】と呼ばれます。

常に緊張するような場面が続いたり、毎日寝不足が続くと体内ではコルチゾールを増加させ、さらに寝不足になったり気分的な落ち込みの原因になります。

心身ともに元気でいるためには、眠ることが大事になります。

免疫力を向上させる

睡眠不足によるホルモンバランスの乱れは免疫力を低下させます。

風邪やインフルエンザなど身近な病気にもなりやすくなり、予防接種をしても睡眠不足の場合、しっかり効果が確立しないという報告もあります。

休息という観点からも、【病気は寝て治す】というのは理にかなっているのです。

体調を崩さず、ダイエットや筋トレを定期的に継続するためにも睡眠は重要です。

脳の老廃物を取り除く

脳は「脳脊髄液」という水の中に浮いていて、「脳脊髄液」は1日に4回入れ替わると言われています。

入れ替わりの際に脳の老廃物が除去されますが、覚醒している時は除去しきれません。

そこでまとまった除去を行うために睡眠が役に立ちます。

睡眠不足は脳の掃除が不十分になり、脳の不活動や認知機能にも影響してきます。

睡眠とダイエットの関係

ダイエットでの睡眠に期待する効果は3つです。

ポイント

  • レプチンとグレリンを正常に分泌させる
  • 成長ホルモンをたくさん分泌させる
  • 疲労回復

レプチンとグレリンについては前述した通りで、睡眠不足はグレリンが増殖するため食べても満腹感が得られにくくなります。

「食べてもまだ食べれる」といった状態になるので、カロリーオーバーになりやすいのです。

そして、大事なことは【いかに成長ホルモンをたくさん分泌させるか】がポイントになってきます。

成長ホルモンを分泌させる睡眠

「夜10時~午前2時までに寝れば成長ホルモンが活発になる」、「午前0時までに寝ないと成長ホルモンが出ない」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

実は科学的根拠が全く無い、しかも欧米では知られていない日本だけでの噂なのです。

統計的に、夜22時~午前2時の間に眠る人が多いために、噂として広まったとされています。

踏まえて、成長ホルモンを分泌させるポイントは次になります。

ポイント

  • 「寝始めの90分」の質を高める
  • 眠る時間が一定かどうか

成長ホルモンは寝始めの90分で8割分泌されると言われています。

眠る時間帯や長さよりも【眠りの質】が重要です。

「寝始めの90分」を極める

睡眠中は2種類の睡眠周期があります。レム睡眠とノンレム睡眠です。

ポイント

レム睡眠:脳は起きているが身体は眠っている状態

ノンレム睡眠:脳も身体もぐっすり休んでいる状態

睡眠の周期

健康であれば、目を閉じてから徐々に副交感神経が優位になり、10分以内に入眠できます。

ノンレム睡眠から始まり、個人差がありますが90分〜120分でレム睡眠に切り替わっていきます。

レム睡眠は周期が短く、まぶたの下で素早く眼球運動が起こるのが特徴で、「Rapid Eye Movement」の頭文字でレム睡眠と呼ばれます。

「寝始めの90分」とは最初のノンレム睡眠をいかに深く眠れるかということです。

成長ホルモンをしっかり出すためには、寝始めの90分をしっかり眠りましょう。

反対に、寝始めの90分が阻害されると残りの睡眠がすべて崩れます。

睡眠が阻害され総崩れになる

寝始めの90分を阻害されると、非常に寝起きも悪く、その後の活動も集中力に欠ける可能性が高いです。

結果的に成長ホルモンの分泌も不十分になります。

自分の周りの人が寝始めてしまったらそっとしておいてあげましょう。

スムーズに入眠するために【体温】

睡眠と体温は密接な関係があり、体温には【皮膚温度】と【深部体温】があります。

ポイント

皮膚温度:手足の温度。日中低くて夜間は高い

深部体温:身体の内部の温度。日中高くて夜間は低い

皮膚温度と深部体温は逆の動きをしていて、日中のピーク時には最大で約2℃の温度差があります。(※皮膚温度34.0℃なら深部体温は36.0℃)

体温の変化

入眠前は温度差が2℃以下に大幅に縮まります。これが「入眠条件」です。

赤ちゃんや子供が、眠くなると手足が温かくなったり、赤ら顔になる現象も皮膚温度が上昇しているからです。

これは顔や手足の血流が増え、毛細血管から放熱して深部体温が下がっているためです。

大人は子供ほど見た目に変化が出ませんが、同様のことが起きているためこの変化を逃さないことが重要です。

スムーズに入眠するために[入浴]

体温が入眠するために欠かせないことは前述した通りで、さらに入眠しやすくする方法として「入浴」が有効になります。

深部体温は上がったら大きく下がろうとする性質がある

この性質を利用してより熟睡できるようにしていきます。

人間は恒常性という環境によらず体温がほぼ一定の動物ですが、40℃のお風呂に15分程度入ることによって、皮膚温度は1℃程度、深部体温は0.5℃程度上昇します。

意図的に皮膚温度を上げて放散熱を促し、深部体温を下がりやすくすることで温度差を縮めるようにするのです。

0.5℃上昇した深部体温が下がるのに掛かる時間は約90分と言われており、さらに下がるのは90分後からです。

つまり、眠りにつく90分前に入浴を済ませるとスムーズに入眠しやすい環境になるのです。

ぼっか

でも、お風呂に入ってすぐ寝たいときもあるよね?

入浴したあとにすぐ眠りたいときは、湯船につかることは逆効果になります。深部体温が下がらず覚醒状態のままになるからです。

「忙しくて眠る90分前に入浴なんて無理」という場合は、深部体温が上がり過ぎないよう、シャワーだけにするかぬるま湯につかるようにしましょう。

また、温泉などの「炭酸泉」はより効果が高く、時間が無いときは「足湯」でも同様の効果が得られるとされています。

体温を意識して眠るようにするだけで、質の良い睡眠が確保できます。

スムーズに入眠するために【頭と足の環境を整える】

放散熱を促すという点で「靴下を履かない」「頭を冷やして眠る」の2点を行うと眠りの質が上がると言われています。

特に冷え性の女性が眠るときに、靴下を履いたまま朝まで眠ることがあると思いますが、放散熱の観点から見ると逆効果になります。

足からの放散熱が滞ると深部体温が下がりにくくなります。

そのため、眠る直前まで履いて血行促進し、ベッドに入ったら脱ぐと良いでしょう。冷え性自体は運動不足など体質の問題もありますので、根本的な改善が必要です。

ちなみに電気毛布やゆたんぽなども同様で、眠る時までにしたほうが良いです。

「頭を冷やす」のは、脳は深部体温と似ているため、身体とは反対に入眠時は温度が低くなり活動中は高くなるためです。

なので、眠っているときに脳の温度を下げやすくした方が脳は休まります。

手軽に冷やす方法として、そば殻の枕やプラスチック製のビーズ枕がオススメになります。

スムーズに入眠するために[脳を興奮させない]

脳が興奮状態にあるとなかなか寝つくことができません。

例えば、修学旅行の前日や部活の大事な試合の前日に、ワクワクやドキドキで眠れなくなった経験があると思います。

興奮や緊張といった状態は「脳を眠らせない」作用として働きます。

普段、私たちが寝る前にやりがちな行動は以下になります。

  • 寝る直前までスマホやパソコンを使う
  • 寝る直前に運動をする
  • 寝る前に激しい映画を見る

いずれも脳が休まりにくく、交感神経が働き続けてしまいます。

特にスマホでゲームをしたり、SNSをダラダラ見てしまうことが多いのではないでしょうか。

寝る前はリラックスできるようにして、活発になる行動は控えたほうが良い睡眠につながります。

[モナトナスの法則]というものがあり、単調な状態が続くと、脳が考えることをやめて入眠モードに入っていきます。

眠る前は「いつもと同じ環境」で過ごすことが重要です。

まとめ

睡眠と運動について述べてきました。質の低い睡眠は、太りやすく筋トレの効果も半減させてしまいます。

睡眠と運動の関係性は次の通りです。

  • 睡眠には休息やホルモンバランスの調整など睡眠にしかできない役割を果たしている
  • 睡眠不足は食欲増進する「グレリン」が乱れて太りやすくなる
  • 睡眠不足は成長ホルモンの分泌を阻害してしまう
  • 成長ホルモンは睡眠の最初の90分で約8割分泌される
  • 睡眠の最初の90分の質を上げるには「体温」が大きく関わる
  • 入眠しやすくするためには「入浴」や「寝る前の準備」をしっかり行う

しっかり眠ることは、ダイエットや筋トレをさらに効率良く結果を出していくために必要です。

今日から睡眠習慣を少しづつ変えていきましょう。

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