栄養管理

「食べない」ダイエットは逆効果。「食事制限」との違いを説明。

2022年6月21日

  • 食べなければ簡単に体重は落ちる
  • 食事の量を極端に減らして食事の内容を気にしない
  • 「断食」を「食事制限」だと思っている

ダイエットなど体質改善を始めると、まず【体重】で考える方がほとんどだと思います。

体重が減る=カッコイイ、キレイではない

ということを認識しておいて下さい。

体重は数字なので、少しの変化にも敏感に反応してくれます。そのため、食べなければ数字が減って嬉しいという風になりがちです。

ですが、私も含め皆さんが頭で思い描く姿は、割れた腹筋、くびれのあるウエスト、メリハリのある腕、引き上がったヒップラインではないでしょうか。

結論、食べないで痩せた場合は、体重の数字だけが落ちて締まりの無い身体になる可能性が高いです。

そのようにならないためにも、「食べない」と「食事制限」の違いについて確認しましょう。

この記事を読むことで、食べないで体質改善をすることのリスクがわかるようになります。

ぼっか

体質改善こそ必要なものはしっかり摂らないといけません!

「食べない」ことがもたらすリスク

冒頭に述べた通り、体重を減らしたいが為に極端に食事を抜くのは目先の数字を追いかけている可能性が高いです。

食べないことで減っている数字は、食べ物その物の質量、水分、排泄物がほとんどですので、食べ出せば戻ります。

食べないことによるリスクは次の通りです。

食べないリスク

  • 筋肉の分解が進む
  • リバウンドしやすい身体になる
  • 栄養失調を起こす
  • 場合によっては摂食障害の可能性がある

筋肉の分解が進む

日常生活でどのくらい動いているか、運動習慣の有無など活動量で個人差はありますが、筋肉の分解は間違いなく起こります。

これは【糖新生】といって、生命維持のためにエネルギーを作り出すシステムが働くためです。

栄養不足による体内での反応
ぼっか

なんか少し難しいね。。。

人は運動をするとき、筋肉内にあるグリコーゲンという物質からエネルギー消費します。

筋肉内のグリコーゲンは少量のため、次に肝臓内のグリコーゲンを消費しますが、食べないと外からのエネルギー材料が入ってきません。

すると体内では脂肪をエネルギーに変えると同時に、筋肉も分解してエネルギーに変えるのです。

これが【糖新生】です。

筋肉の分解速度は速く、未然に防ぐことが非常に重要になります。そのため、たんぱく質の摂取が非常に大事になります。

リバウンドしやすい身体になる

筋肉量が減ると基礎代謝量が低下します。

基礎代謝とは、生命活動を維持できる必要最低限のエネルギーを指します。

例えば、成人男性で基礎代謝が1500kcalとした場合、1日の摂取カロリーが1500kcalを下回れば痩せると考えると間違いです。

1500kcalを下回れば、身体は生命の危機と認識してエネルギーを使わないように変化していきます。

つまり、代謝を落としてエネルギー効率を上げようとするのです。

脂肪を燃焼するためには、エネルギー効率は悪い方がよく燃えてくれますから、筋肉量を落とすということは代謝が下がり、少し食べたら体重が戻りやすくなります。

栄養失調になる

食べないということは、ビタミンやミネラルといった身体の土台となる栄養も不足します。

ビタミンやミネラルには筋力向上に働いたり、ホルモンの生成、物質の代謝を助けるような働きがあります。

一方で不足すると、倦怠感や頭痛といった不調になる原因にもなることがわかっています。

体調の浮き沈みは、日常生活やトレーニングの継続にも影響しますので、最低限の摂取は必要になります。

過度になると摂食障害になる可能性

食べないことで基礎代謝が低下した身体は、口にした食物を脂肪として蓄えやすくなります。

苦労と我慢の末に減らした体重がすぐ戻ってしまったら、精神的に落ち込んでしまうこともあるでしょう。

すると、「食べてはいけない」という偏った考えから、食べることができなくなってしまうことがあります。

途中で減量を先に諦められればまだ良いですが、精神的に食べられなくなってしまっては本末転倒です。

「食べない」という行為は、肉体的にも精神的にも良くないことがありますので注意です。

「食べない」と「食事制限」の違い

言葉の通りですが、体質改善をしていく上では食事制限が大事です。

制限というと窮屈な感じがしますが、「脂質」と「糖質」と「炭水化物」のバランスをコントロールをするということです。

極端な断食のような行為は、全ての栄養摂取を放棄しているようなものですから、良くないことは明白です。

そのため、栄養の中で必要なものと控えるものの選別をしっかり行いましょう。

体質改善に必要な栄養の役割はこちらで紹介しています。興味があれば参照してみて下さい。

あわせて読みたい

「食べない」というのは、簡単で即効性が高い一方で、体重を減らすことだけを一番に考えている可能性が高いです。

前提として体重は脂肪で落としていくものですから、繰り返しにはなりますが、安易に体重だけで考えることは避けましょう。

理想の身体になるためにはどうしたら良いか

基本は運動、食事、睡眠の3本柱です。どれか欠けても効率は下がります。

運動しなければ筋肉はつかず、食事が欠ければ栄養が不足し、睡眠が欠ければ身体が回復しません。

1つだけ注意すれば良いというものでも無く、生活そのものの見直しから取り組めることがベストです。

こちらの記事で運動と食事に関して詳しく書いていますので、興味があれば参照して下さい。

30代の効率的なダイエットは運動と食事どっちが大事?

また睡眠と体質改善についてもこちらから参照してみて下さい。

中年太りは睡眠不足が原因?ダイエットに必要な睡眠の重要性を解説

まとめ

「食べない」と「食事制限」の違いについて述べました。

ポイントは次の通りです。

  • 食べないと筋肉を分解してエネルギーを作り出し、リバウンドしやすい身体になる
  • 食事制限は「脂質」「糖質」「炭水化物」のバランスを調整すること
  • 理想的な体質改善は、運動、食事、睡眠のどれが欠けてもいけない

筋肉は極力落とさず、体重は脂肪で落としていくことがセオリーです。

食べずに減った体重が何で減っているのか。目先の数字に左右されず、しっかり必要な栄養は摂るようにしましょう。

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