- ダイエットしたいけど食事と運動どっちが大事なのかわからない。
- どっちも気にするのは大変そう。
- 片方だけで何とかならないの?
結論から言いますと、どちらも大事になります。
理想のダイエットは筋力を落とさず脂肪のみを落としていくことが望ましいからです。
どっちもやらなきゃダメ?
仕事も家庭も子育てもある中、できるだけ楽に簡単にダイエットしたいと思う方もいらっしゃると思いますが、だからこそ効率の良い取り組みを行った方が結果につながります。
「そんな答え聞きたいわけじゃない」と思うかもしれませんが、この記事を読んだ後には納得していただけると思います。
この記事では、ダイエットにおける運動と食事のバランスについて解説します。読んでいただくことで偏りのあるダイエットが非効率であることがわかります。
【ダイエット】運動と食事の比率
効率的なダイエットには運動と食事の両方を管理することが最速です。
ここで書く最速とはリバウンドしにくい痩せ方のため、1週間で-5Kgなど短期間かつ数字で判断するものではありません。
ダイエットを目的とするのであれば、比率としては食事7、運動3程度の比率で管理します。
運動少なくない?ダイエットって運動ありきだと思ってた。
運動はもちろん大事ですが、運動だけやっていてもスピード感に欠けます。
逆に食事のみ管理して運動をおろそかにすれば、筋力が落ち理想の痩せ方とは離れる可能性があります。
ダイエットにおける運動の効果
ダイエットにおける運動には多大な効果があります。特に筋力トレーニングに関しては抜群の効果をもたらします。
体内の筋肉には速筋と遅筋という2パターンがあります。
働き | 運動の種類 | |
---|---|---|
速筋 | 瞬発的な運動で働く筋肉 | 筋力トレーニング(スクワットなど高強度な運動) |
遅筋 | 大きな力は出ないが長時間の運動で働く筋肉 | 歩行、ジョギングなどの有酸素運動 |
速筋はエネルギー消費量が高く、外車のようにエンジンが大きくスピードは出せるけど燃費が悪いイメージです。
遅筋は長い運動が得意ですからエコカーのようなものです。少ないエネルギーでたくさん走れるイメージです。
ダイエットに関しては、体内のエネルギーをどんどん消費したいわけですから燃費が悪い方が良いのです。
運動不足による筋肉の「遅筋化」
人間というのは遺伝的に速筋と遅筋の割合が決まっていると言われています。その中でも年齢と共に運動量が減ってくると、徐々に速筋から遅筋に質が変わってくることがわかっています。
つまり、活動量の低下に伴って「燃費の良い身体」に変化しているのです。
燃費が良いって好印象に感じちゃうけど。
先ほども述べた通り、どんどんエネルギーを消費してくれる「速筋」をたくさん使った方がダイエットには向いていることがわかります。
ダイエットでやりがちなのが、有酸素運動をメインに取り組んでしまうことです。
「歩行」「軽いジョギング」といった長時間行う運動は遅筋がメインに活動しますから、運動中は糖質や脂肪といったエネルギーに変わる物質が代謝される一方、運動が終わると代謝も落ち着いてしまいます。
速筋を意識した筋力トレーニングでは運動後も24時間程度エネルギー消費が持続することがわかっています。また、筋量が増えていくことにより基礎代謝の向上が期待できます。
運動内容の比率
運動時間が1時間の場合40分は筋力トレーニング、20分は有酸素運動という目安でいいと思います。時間がもっと確保できる場合はそれ以上でも構いません。
全く運動習慣が無い、体重がかなり重いという方は無理せず有酸素運動から始めていきましょう。15分程度の散歩などでも良いです。
徐々に運動に慣れてきたら、筋力トレーニングを加えていけば問題ありません。
何事もいきなり飛ばし過ぎないでやることが大事だね。
運動による絶大な「精神面」への効果
ダイエットに取り組むにあたって、体重の変化よりも先に感じてほしいことがあります。
それは、精神衛生の改善です。
- 嫌なことがあったけどランニングしたらスッキリした。
- 運動した後に妙な爽快感がある。
- 悩みがあったけど運動したらまた頑張ろうと切り替えられる。
このような経験をしたことがある方も多いはず。
人間の体は運動を行うことで多くのホルモンを分泌します。このホルモンの影響により人は幸福感が得られると言われています。
代表的なホルモンがこちらです。
効果 | 不足状態 | |
---|---|---|
成長ホルモン | 筋たんぱく質の合成、脂質の代謝、体脂肪の燃焼など | 意欲低下、イライラしやすくなる |
テストステロン(男性ホルモン) | 男性的な身体を作るホルモンであり、筋肉の成長に必要とされる | 意欲・性欲の低下、うつ病 |
セロトニン(幸福ホルモン) | 精神の安定、気分の高揚、睡眠の質の向上 | |
ドーパミン | 意欲の向上、ポジティブ思考(スポーツ後の爽快感に関与) | |
ノルアドレナリン | 脂肪分解、セロトニン分泌促進 | |
エンドルフィン | 軽い運動や欲求が満たされると分泌される。幸福度が増す。 |
運動を行い積極的にホルモンの分泌を促しましょう。体重の変化よりも先に心が満たされ生活の質が向上します。
精神面の改善はあらゆる行動に良い影響をもたらします。
朝の目覚めが良くなる、日中の活動意欲の改善、食事の質向上など結果的に仕事や運動などの効率にも好循環を与えます。
運動ってたくさんのメリットがあるんだね!
ダイエットにおける食事の効果
食事を管理することがダイエットへの重要なプロセスになります。
基本的には消費カロリーより摂取カロリーが低ければ徐々に体重は落ちていきます。
- 消費カロリー > 摂取カロリー ⇒減量
- 消費カロリー < 摂取カロリー ⇒増量
- 消費カロリー = 摂取カロリー ⇒維持
やみくもにカロリー摂取を抑えれば、筋肉量の減少など質の低い結果につながる可能性があるため、食事の管理には注意が必要です。
間違っても「食べない」や「野菜だけ」などの極端な方法は避けることをおすすめします。
食事によるカロリーコントロール
運動による消費カロリーは1時間ウォーキングしても大体300~400kcal程度でしょう。食べ物で言えば白米200g(お茶碗中盛り)ぐらいに相当します。
つまり、頑張った1時間の運動も中盛りの白米を食べてしまえば同等のカロリーを摂取することになり、せっかくの運動も効果がなくなってしまいます。
しかし裏を返せば、運動+お茶碗1杯の白米を控えることができればカロリーはより抑えることができます。
運動での消費カロリー+摂取カロリーの管理を行うことで効率的なカロリーコントロールを行いましょう。
食事の管理って本当に大事だね!
成人に必要な1日の摂取カロリー
厚生労働省は次のようにまとめています。
【男性の推定必要カロリー】
身体活動レベル | |||
---|---|---|---|
年齢 | 低い(Ⅰ) | 普通(Ⅱ) | 高い(Ⅲ) |
18~29(歳) | 2300kcal | 2600kcal | 3050kcal |
30~49 (歳) | 2300kcal | 2700kcal | 3050kcal |
50~64 (歳) | 2200kcal | 2600kcal | 2950kcal |
65~74 (歳) | 2050kcal | 2400kcal | 2750kcal |
75歳以上 | 1800kcal | 2100kcal |
【女性の推定必要カロリー】
身体活動レベル | |||
---|---|---|---|
年齢 | 低い(Ⅰ) | 普通(Ⅱ) | 高い(Ⅲ) |
18~29(歳) | 1700kcal | 2000kcal | 2300kcal |
30~49 (歳) | 1750kcal | 2050kcal | 2350kcal |
50~64 (歳) | 1650kcal | 1950kcal | 2250kcal |
65~74 (歳) | 1550kcal | 1850kcal | 2100kcal |
75歳以上 | 1400kcal | 1650kcal |
表の数値は参考値のため、全ての人に当てはまるものではありませんが、該当する数値より摂取カロリーが多ければ注意が必要です。
身体活動レベルの定義は次のようになっています。
身体活動レベル | |
---|---|
低い(Ⅰ) | 生活の大部分が座位で、静的な活動が中心 |
普通(Ⅱ) | 座位中心の仕事だが、職場内での移動、接客、通勤、買い物、家事、軽いスポーツなどいずれか行う |
高い(Ⅲ) | 移動の多い仕事、余暇に活発な運動を行っている |
【ダイエット】リバウンドを防ぐことを忘れない
ダイエットで絶対的に防がなければいけないのは「リバウンド」です。
リバウンド絶対したくないよ!
極端な食事制限により筋肉量が落ちた場合、減量後に食事量を戻せばほぼ確実にリバウンドすることになります。
一生食事制限するのは現実的ではありませんし、偏った栄養摂取を続けるのは人体の構造上望ましくありません。
偏った方法はリバウンドしやすい
生きていく上で必要なエネルギーを産生する栄養素に、たんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrates)があります。
このたんぱく質、脂質、炭水化物のバランスを頭文字を取ってPFCバランスと言います。
厚生労働省が推奨している一般的なPFCバランスがこちらです。
これは1日に必要なカロリーをPFCバランスで摂取することを指しますが、最近では糖質制限ダイエットなど極端な減量方法が流行していますので注意が必要です。
ボディービルの大会のために期間限定でしぼる、ただ数字で体重を落としたいといった理由であれば別ですが、そうでないのであれば適切なPFCバランスを守ることをお勧めします。
【PFCバランス】ダイエット向け
- たんぱく質を多く摂取
- 脂質は抑える
- 炭水化物は大きく減らさない
基本的に低脂質・高たんぱくの食事を意識します。たんぱく質は25~30%取りましょう。
カロリーは脂質でコントロールすることが望ましいですが、その中でも身体に良いとされる脂質の摂取を心がけましょう。
良質な脂質を含む食材
- MCTオイル
- ナッツ(特にクルミ)
- オリーブオイル
- エゴマオイル
- アマニオイル
- 青魚
上記の食材には不飽和脂肪酸と呼ばれる良質な脂質が多く含まれます。動脈硬化や血栓の防止、血圧を下げる、LDLコレステロールを減らすなどさまざまな作用を持っています。
また不飽和脂肪酸の一部は体内で作ることができないため積極的に摂取しましょう。
【PFCバランス】筋力増強向け
- たんぱく質をより多く摂取
- 脂質は必要量だけ摂取
- 炭水化物は維持
よりたんぱく質の摂取を強化していきます。
脂質はホルモンや細胞膜などを構成する重要な栄養なので抑え過ぎは厳禁です。こちらも良質なものを意識して摂取してください。
炭水化物は減らし過ぎは筋トレの強度が落ちる原因になります。また糖質摂取により分泌されるインスリンには、たんぱく質の吸収を促進する働きもあるため、炭水化物はしっかり取りましょう。
ダイエットは短期間で結果を求めない
たまに【1か月で-10㎏】のような極端な書き方でダイエットを成功したと発信する方がいますが、鵜呑みにしないよう注意が必要です。
なぜなら前提条件が違うからです。
単純に80kgと120Kgの人がいれば、数字で大きく減るのは120kgの人です。短期間での数字の変化も、体重が重い人ほど減りやすいのは事実です。
大事なことは「-10kg」が何で落ちているのかしっかり把握することがポイントで、超短期間でのダイエットはほとんどが水分で体重が落ちていることが考えられます。
水分で体重が落ちてるの?!
水分が身体から抜ける理由
身体から水分が抜ける理由に糖質が関係があります。
糖質には1つの分子に3~4倍の水分が結合します。糖質1gに水4gというイメージです。
糖質を取り過ぎればそれだけ水分を引きつけ、糖質を抜けば水分も抜けます。
仮に120Kgの体重を維持するためには相応のエネルギーを摂取していないと維持はできません。好きなものを食べていれば糖質もかなりの量を摂取しているはずです。
短期間での成果を求めるあまり、極端な糖質制限や断食のようなダイエットを選択した場合、大量に摂取していた糖質が枯渇することで水分も抜けていくのです。
加えて不足した栄養素を補うために筋肉の分解も進み、結果的に水分と筋肉量の減少による「見かけ上のダイエット」になりかねないのです。
【ダイエット】大切なのは体重ではない
ダイエットというと体重を考える人がほとんどだと思いますが体重も1つの指標です。
大事なの身体の見た目と感覚、そして健康です。
理想のダイエットは不必要な脂肪を落とすことであって、あなたが憧れとする身体はただ数字で体重を落とせば近づけるものではないということを認識しておいてください。
逆に言えば脂肪を落とし筋肉量を増やした結果、体重は増えても引き締まることだってあります。
【筋肉は一生着る洋服】ですから、健康を崩さないダイエットをすすめていきましょう。